水商売や風俗業は、一般的な仕事以上に「数字」が本人の評価として見えやすい業界です。
指名数、予約数、売上、ランキング、リピート率。これらは本来、仕事上の成績を示す数字にすぎません。
しかし働く期間が長くなるほど、「売れている=自分には価値がある」「売れない=自分には魅力がない」という考え方に変わってしまうことがあります。
これは精神的な消耗につながりやすいポイントです。
新人期間の人気が「基準」になってしまう
特に注意したいのが、新人として働き始めた直後です。
新しく入った女性は店舗サイトなどで目立つ位置に掲載されたり、「新人」という理由だけで興味を持たれたりするため、最初の数週間は比較的予約が入りやすい場合があります。
すると本人は、「思ったより自分は人気がある」「この仕事ならかなり稼げるかもしれない」と感じます。
問題は、その状態を通常の売上だと思ってしまうことです。

新人効果が薄れ、予約が減ってくると、本来は自然な変化であるにもかかわらず、本人には「人気がなくなった」と感じられます。
「今日は暇だった」が「私は価値がない」に変わる
一般的な仕事なら、仕事量が少ない日があっても、それだけで自分自身の価値まで否定されたとは感じにくいでしょう。
ところが人気商売では、自分を選ぶ客がいるかどうかが毎日の数字として見えてしまいます。
待機しても予約が入らない。周囲の女性には次々と仕事が入る。ランキングから名前が消える。

こうした状況が続けば、「年齢のせいではないか」「見た目が悪くなったのではないか」「接客が下手なのではないか」と、自分自身を原因として考え始めることがあります。
ここで仕事の成績と自己評価が一体化してしまいます。
掛け持ちによって再び「新人」に戻ろうとする
売上が落ちると、別の店舗への移籍や掛け持ちを考える人もいます。
新しい店では再び新人として紹介され、一時的に予約が増えることもあります。
しかし、その効果も永久には続きません。
「店が悪かった」と考えて別の店へ移り、最初は予約が増えるものの、時間が経つと再び減る。そして、さらに別の店を探す。

この流れは、単なる転職ではなく、一度経験した「選ばれている感覚」を取り戻そうとする行動になっているケースも考えられます。
客が来ても苦しい、来なくても苦しい
さらに厄介なのは、精神的に疲れてくると、「今日は仕事に行きたくない」と思う一方で、「予約が入らなかったら困る」とも思う状態になることです。
仕事が入れば疲れる。
仕事が入らなければ収入が減り、不安になる。
つまり、客が来てもストレス、来なくてもストレスという状態です。
こうなると、働くことそのものよりも、毎日変化する数字に精神状態を振り回されるようになります。
年齢より危険なのは「売上=自分の価値」という考え方
40代、50代だから必ず精神的に苦しくなるわけではありません。
年齢より重要なのは、仕事と自分自身を切り離せるかどうかでしょう。
売上は、店舗の集客力、掲載順位、曜日、地域、景気、客層、競合する在籍者など、本人以外の条件にも大きく左右されます。
それでも数字が毎日見える環境では、すべてを自分の魅力の問題として受け止めてしまいやすいものです。
水商売や風俗業で長く働くうえで重要なのは、「今日売れなかった」と「自分には価値がない」を同じ意味にしないことです。

人気商売の怖さは、収入が不安定なことだけではありません。
数字が落ちた瞬間、自分自身まで落ちたような錯覚を起こしやすいところにあります。
だからこそ、売上や指名数はあくまで「仕事上の数字」として扱い、自分自身の価値とは別のものとして考える必要があります。
数字を追う仕事ほど、最後に守らなければならないのは、数字では測れない自分自身です。
【管理者が思うこと】
正直、俺には「好きな相手を他人に」という感覚はかなり不思議。でも、人間の性癖って理屈だけでは説明できないんだろうね。現実では嫌なことが、妄想では刺激になる。この矛盾こそ、人間の面白いところなのかもしれない。