2027年新型タントは本当に出る?フルモデルチェンジ予想を公式情報から検証

「2027年にダイハツ・タントがフルモデルチェンジする」――自動車メディアでは、そんな予想が出ている。

現行タントは2019年7月登場。もし2027年に全面刷新されれば、約8年ぶりの世代交代となる。

しかもダイハツは、次世代軽自動車用のストロングハイブリッド「e-SMART HYBRID」を搭載したコンセプトカー「K-VISION」まで公開している。

ここまで材料が揃えば、

「次期タント、いよいよ来るのでは?」

と思いたくなる。

だが、2026年9月7日現在、ダイハツから「2027年に新型タントを発売する」という正式発表は出ていない。

そこでこの記事では、次期タントについて出ている話を、最初から分けて考える。

区分 2026年9月現在わかっていること
【確定】 現行タントは2019年登場の4代目。2026年8月31日にも一部改良された
【確定】 ダイハツは次世代DNGA+軽用e-SMART HYBRIDの「K-VISION」を公開している
【予想】 次期タントが2027年にフルモデルチェンジする
【予想】 次期タントに軽用e-SMART HYBRIDが搭載される
【未発表】 発売日、価格、デザイン、車体寸法、正式なパワートレーン

「2027年新型タント」という前提で話を進めるのではなく、公式情報を土台に、どこからが予想なのかを見ていこう。


歴代の軽ワゴンからタントへつながる進化をイメージしたAI挿絵

まず最新情報――現行タントは2026年8月31日に改良されたばかり

2027年フルモデルチェンジ説を考えるうえで、旧記事公開後に重要な公式情報が出た。

ダイハツは2026年8月31日、現行タントを一部改良して発売した。

スマートアシストでは、横断する自転車の検知を追加。

さらに交差点で右折するときの対向車や、右左折時に対向方向から横断してくる歩行者などへの検知機能も追加された。

ACCやLKCについても制御が改善されている。

さらに通常タントには、ブラックのドアミラー、ドアハンドル、アルミホイールなどを採用した特別仕様車「デイリーツール」も設定された。

ダイハツ工業「タントを一部改良」(2026年8月31日)

つまり2026年9月現在、メーカーはまだ現行型を普通に改良して販売している。

これは重要だ。

ただし、

「2026年に改良したから2027年にフルモデルチェンジしない」

とも言えない。

モデル末期に商品改良や特別仕様車を出すこともあるからだ。

逆に「最後の特別仕様車だから次期型が近い」と断定する根拠にもならない。

8月31日の改良から分かるのは、現在も4代目タントが現役商品である、というところまでだ。

現行タントはいま何世代目なのか

タントが誕生したのは2003年。

現在は2019年7月に登場した4代目である。

ダイハツ自身も、タントによって全高1,700mm以上の軽乗用車である「スーパーハイト系」という新ジャンルを開拓したとしている。

2025年5月末には、タントシリーズの国内累計販売台数が300万台を突破した。

ダイハツ工業「タントシリーズ国内累計販売300万台」

つまり次期タントは、単なる軽自動車のモデルチェンジではない。

ダイハツが20年以上育ててきた看板商品の次世代になる。

初代タントは「軽自動車の中に部屋を作った」

2003年11月に登場した初代タント。

今見ると背の高い軽自動車など珍しくないが、当時はかなり新鮮だった。

軽自動車は全長と全幅が規格で決まっている。

だったら上へ伸ばす。

室内を大きくする。

人も荷物も載せやすくする。

「軽自動車=小さな乗用車」という考え方から、「軽自動車=移動する小部屋」へ振った。

現在のN-BOX、スペーシア、ルークスなどが当たり前に存在する風景を考えれば、タントが作ったジャンルの大きさが分かる。

初代タントと広い車内を利用する家族をイメージしたAI挿絵

2代目では、本当に柱を消した

2007年登場の2代目では、さらにタントらしい発明が出てきた。

ミラクルオープンドアである。

助手席側のセンターピラーを前後ドアへ内蔵し、助手席ドアと後席スライドドアを開けると、中央に柱のない巨大な開口部が現れる。

タントのミラクルオープンドアをイメージしたAI挿絵

子どもをチャイルドシートへ乗せる。

ベビーカーを積む。

高齢者の乗降を手伝う。

普通なら「柱が邪魔だな」で終わるところを、

「じゃあ柱をなくせばいい」

と本当にやった。

これこそタントというクルマの面白さだと思う。

元祖だったタントが、いまは追われる立場になった

しかし、市場を作ったメーカーが永遠に有利とは限らない。

現在の軽スーパーハイト市場には、ホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、日産ルークスなどがいる。

広い室内。

両側スライドドア。

運転支援。

大画面ディスプレイ。

今ではどのメーカーもかなり高いレベルまで来ている。

タントが発明した便利さが、タントだけの武器ではなくなった。

軽スーパーハイトワゴン市場で競争する複数車種をイメージしたAI挿絵

2019年型タントは「DNGA第1号」だった

現行4代目は2019年7月登場。

このモデルは、ダイハツの新しいクルマづくりDNGA(Daihatsu New Global Architecture)の第1弾だった。

プラットフォーム、パワートレーン、車体などを新世代化し、ミラクルオープンドアも継続した。

2022年にはアウトドア志向の「タント ファンクロス」も追加。

2025年にはLimitedシリーズ。

そして2026年8月には再び安全機能などを改良。

つまり、

「2019年以来まったく放置されている」わけではない。

ただし基本設計が2019年型であることも事実。

仮に2027年に世代交代すれば、モデルライフはおよそ8年になる。

認証不正で次期タントが延期された――とは断定できない

この8年間には、ダイハツの認証不正問題もあった。

2023年末には国内全完成車工場の稼働停止にまで発展。

タントも出荷停止となった。

その後、国土交通省による基準適合性の確認を受け、2024年3月11日にタントの出荷停止指示が解除された。

ダイハツ工業「タントの出荷停止指示解除について」

ただし、ここも線を引かなければならない。

【確定】認証不正によって生産・出荷やメーカーの事業計画が大きな影響を受けた。

一方で、

【未確認】「次期タントが認証問題のせいで○年延期された」ことを示す公式資料は確認できない。

だから「本当は2025年発売だったが不正で2027年になった」といった話は、公式事実として書くべきではない。

生産停止から再出発する自動車工場をイメージしたAI挿絵

2025年、新型ムーヴが先に動いた

ダイハツの軽自動車で先に大きく動いたのはムーヴだった。

2025年6月、約11年ぶりにフルモデルチェンジ。

7代目では初めてスライドドアを採用した。

そして発売後約1か月で約3万台を受注。

月間販売目標6,000台の約5倍というスタートだった。

ダイハツ工業「新型ムーヴ約30,000台受注」

長く世代交代していなかったムーヴが動いた。

当然、次にこう思う。

「じゃあ、タントはいつなんだ?」

ただし、ムーヴが新しくなったこと自体は、2027年タント発売の証拠にはならない。

最大の材料「K-VISION」は何者なのか

次期タント予想で最も重要なのが、2025年のJAPAN MOBILITY SHOWで公開されたK-VISIONだ。

これは単なるデザインスタディではない。

ダイハツはK-VISIONについて、

  • 次世代DNGAプラットフォーム
  • 新開発の軽自動車用e-SMART HYBRID
  • 100%モーター駆動
  • 充電不要
  • 従来のエンジン+CVT比で20%以上の燃費向上を想定
  • 外部給電機能

などを公式に発表している。

ダイハツ工業「K-VISION」公式発表

仕組みはロッキーHEVなどと同じシリーズ式。

エンジンは主に発電し、タイヤを駆動するのはモーターである。

BEVのように外部充電する必要はない。

しかしK-VISION=次期タントではない

ここがこの記事で一番大事なところだ。

K-VISIONは背が高い。

軽自動車。

広い室内。

次世代DNGA。

だから見れば、

「これ、次期タントじゃないの?」

と思う。

私も思う。

しかし、ダイハツはK-VISIONを「次期タント」と発表していない。

さらに2026年7月、インドネシア国際オートショーへK-VISIONが出展された際も、ダイハツの公式発表上は依然としてコンセプトカーだった。

つまり2026年9月現在、

【確定】軽自動車用e-SMART HYBRIDをダイハツが開発している。

【確定】次世代DNGAの軽コンセプトK-VISIONが存在する。

【予想】それが次期タントへ使われる。

ここは三段階に分けなければならない。

K-VISIONの技術を想像して制作した次期タントのAI予想イメージ
※画像はAIによる次期タントの予想イメージです。実車・公式発表画像ではありません。

では「2027年フルモデルチェンジ説」の根拠は何なのか

一部自動車メディアでは、2027年のフルモデルチェンジが予想されている。

確かに状況証拠はある。

現行型が2019年登場。

モデルライフが長くなっている。

新型ムーヴが登場。

次世代DNGAが姿を見せた。

軽自動車用ストロングハイブリッドも開発された。

これだけ並べれば、2027年という予想にはそれなりの説得力がある。

しかし、これはあくまで状況から組み立てた予想である。

2026年9月7日現在、ダイハツ公式には、

「2027年発売」

「5代目タント」

「次期タントにe-SMART HYBRID搭載」

という発表は確認できない。

予想の材料が多いことと、発売が確定していることは別だ。

2026年8月の現行型改良は、どう読むべきか

ここで少し面白くなる。

次期型の噂が出ている一方で、ダイハツは2026年8月31日に現行タントをきっちり改良した。

これを、

「まだ当分モデルチェンジしない証拠だ」

と見ることもできる。

逆に、

「次期型まで商品力を維持する最後のテコ入れだ」

とも考えられる。

でも、どちらもまだ予想。

公式情報だけで見るなら、「2026年秋も現行4代目を売る気満々」というところまでしか言えない。

この微妙な状態こそ、今の次期タントを追う面白さでもある。

もしe-SMART HYBRIDが載ったら、タントはかなり変わる

ここからは完全に【予想】として考える。

もし次期タントへK-VISIONの軽用e-SMART HYBRIDが採用されたら、単なる燃費改善モデルでは終わらない。

現在のタントはエンジン+CVT。

e-SMART HYBRIDなら基本的に走行はモーター。

発進時から太いトルクを出せるモーターは、車重が重くなりやすいスーパーハイト軽とも相性がよさそうだ。

静粛性も変わる。

さらに外部給電が使えれば、子育て車だけではなく、アウトドアや災害時にも新しい価値を付けられる。

ただし、価格、重量、荷室スペース、電池搭載位置など、量産車では解決しなければならない課題もある。

「技術が存在する」から「タントにそのまま載る」までには、まだ距離がある。

次期タントに一番必要なのは、ハイブリッドなのか?

私は、実はここが一番気になる。

タントの歴史を見ると、売りはスペック表だけではなかった。

初代は、ものすごく広い室内。

2代目は、ミラクルオープンドア。

4代目は、DNGA。

つまりタントは、

「軽自動車って、そこまでやっていいんだ」

と思わせる仕掛けで存在感を作ってきた。

だから次期型が、

「燃費が良くなりました」

「モニターが大きくなりました」

「顔が新しくなりました」

だけでは、個人的には物足りない。

今では、広い室内もスライドドアも当たり前になってしまった。

元祖だからこそ、もう一度ライバルが真似したくなる何かを発明してほしい。

歴代タントから未来の次期タントへつながる姿をイメージしたAI挿絵

現時点での「2027年新型タント予想」を採点する

項目 2026年9月7日時点
2027年フルモデルチェンジ 予想:公式発表なし
5代目タントになる 予想:正式名称・世代未発表
次世代DNGA採用 予想:K-VISIONでは採用確認済み
e-SMART HYBRID搭載 予想:軽用システム自体は公式開発済み
100%モーター駆動 予想:K-VISIONでは確定、次期タントでは未確認
ミラクルオープンドア継続 予想:公式発表なし
価格 未発表
発売時期 未発表

結論――「2027年新型タント」はありそうだが、まだ答えではない

2027年のフルモデルチェンジ説には、材料がかなり揃ってきた。

現行型は2019年登場。

ムーヴはすでに世代交代。

次世代DNGAもある。

軽自動車用e-SMART HYBRIDも実物が公開されている。

だから、

「そろそろ新型タントでは?」

という予想自体は面白い。

しかし2026年9月現在、ダイハツは発売時期も、新型タントの存在そのものも正式には発表していない。

しかも現行型は、8月31日に安全機能まで改良されたばかり。

だから現時点の結論は、

「2027年新型タントは有力な予想として追う価値はある。しかし、確定扱いする段階ではない」

これが一番正確だろう。

そして本当に新型が出たとき、この記事で予想したe-SMART HYBRIDや次世代DNGAがどこまで当たっていたのか。

そのとき、また答え合わせをしたい。

【編集者が思うこと】

私は現行タントに乗っているので、次期型は普通の記事以上に気になる。

ただ、今回公式情報だけを追い直してみると、ネットで「2027年新型タント」と書かれている割に、メーカーが実際に発表しているのは意外と手前までだった。

K-VISIONもe-SMART HYBRIDも本物。でも、それが次期タントになるところから先はまだ予想。

だからこそ面白い。

タントは「広い軽」を発明した側だ。8年近く待たせるなら、燃費だけではなく「またそれをやったか」と思わせる変な仕掛けを一つくらい期待したい。

参考資料

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