ウリハムシは、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ズッキーニなど、ウリ科植物を中心に加害する小型の甲虫である。
体長は7~8mmほど。黄褐色からオレンジ色の体をしており、見た目だけなら、それほど凶悪な虫には見えない。
しかし、家庭菜園や無農薬栽培では、かなり厄介な存在になる。

マメハンミョウのような「毒虫」ではない
まず、人間への危険性については、マメハンミョウとは大きく異なる。
マメハンミョウなどツチハンミョウ科の昆虫は、カンタリジンという強い刺激性物質を持ち、体液が皮膚につくと水疱などを生じる場合がある。
一方、ウリハムシはハムシ科の昆虫であり、一般にマメハンミョウのような「触ると危険な毒虫」として扱われる虫ではない。
つまり、人間にとっての危険度はそれほど高くない。
問題は、野菜側から見た場合である。
親は葉、子供は地下から根を食う
ウリハムシの厄介さは、成虫だけを見ていると分かりにくい。
成虫は葉に飛来し、表面を削るように食べる。円形や半円形の食痕を作ることもあり、数が増えると葉は穴だらけになる。
成長した大きな株なら多少食べられても耐えられるが、植え付け直後の小さな苗では事情が違う。
葉の面積そのものが少ないため、数匹に集中して食害されただけでも、生育に大きな影響が出ることがある。

さらに成虫は、株元付近の土などに産卵する。
孵化した幼虫は地中で生活し、今度は根を食害する。幼虫はカブトムシの幼虫のような太い姿ではなく、乳白色から淡黄白色の細長い体をしている。
要するに、「親は地上から葉を食う。子供は地下から根を食う」という二段構えである。
派手な毒も巨大な牙もないのに、作物側からすれば実に嫌らしい敵だ。

無農薬になると一気に面倒になる
農薬を使用できる栽培なら、対象作物とウリハムシに登録された殺虫剤を使用するという選択肢がある。
しかし、無農薬栽培では「薬を散布して終わり」という方法が使えない。
ここから、ウリハムシの面倒臭さが本格化する。
基本的な対策は、防虫ネットなどで成虫の飛来を防ぐこと。シルバーマルチなどの反射資材を利用し、寄り付きにくくする方法もある。
そして、すでに侵入した個体については捕殺する。
特に早朝は気温が低く、成虫の動きが比較的鈍いため、日中より捕まえやすい。
つまり無農薬農園では、「防ぐ、探す、捕る、そして翌日また探す」。基本的には、この繰り返しになる。

「天然スプレー一本で撃退」は期待しすぎない方がいい
ウリハムシ対策を検索すると、酢、木酢液、ニンニク、唐辛子など、さまざまな民間的な対策が出てくる。
多少の忌避効果を期待できる場合はあっても、それだけでウリハムシが完全に来なくなると考えるのは危険だ。
なぜなら、成虫は飛んでくるからである。
昨日すべて捕まえたと思っても、今日になれば別の個体が飛来する可能性がある。
畑の外から新しい個体が入ってくるため、「全部捕まえたから終了」とはいかない。この継続的な対策こそ、無農薬栽培でウリハムシが厄介とされる理由のひとつだ。
小さいくせに、妙に手間を増やす虫
ウリハムシは、人間を刺す虫ではない。
マメハンミョウのような強烈な毒虫でもない。
巨大な群れになって人間を襲うわけでもない。
それでも農家や家庭菜園で嫌われる理由は明確である。
作物を食う。根まで食う。飛んで逃げる。そして、また飛んでくる。
特に農薬を使わない栽培では、一匹一匹が与える被害以上に、「毎日対策しなければならない」という手間が重くなる。
ウリハムシ一匹だけを見れば、小さなオレンジ色の甲虫にすぎない。
しかし畑という場所では、その小ささに反して、実に面倒な存在になる。
毒虫ではない。だが、無農薬農園にとっては十分すぎるほど厄介な害虫。
ウリハムシという虫の評価は、この一言に集約できるだろう。
【編集者が思うこと】
マメハンミョウに手こずったと思ったら、今度はウリハムシ。茨城で農業をやっている友人には悪いが、害虫ネタが次々と提供されてくる。本人は必死だろうけど、こっちは「次は何が出るんだ?」と少し楽しみにしている。
