【DaVinci Resolve 20.1】最新アップデート簡単解説 ─ プロが注目すべき新機能と改善点

映像編集ソフトの世界的スタンダード「DaVinci Resolve」。私も使用しております。 2025年8月8日、その最新版 20.1 がリリースされ、プロ・アマ問わず多くのユーザーに恩恵をもたらす数々の新機能と改善が実装されました。本記事では、Blackmagic Designが公開した公式情報をもとに、追加された機能や修正点を整理し、実務での活用方法まで簡単に解説します。

【DaVinci Resolve 20.1】最新アップデート簡単解説 ─ プロが注目すべき新機能と改善点

1. 主な追加機能

ディープコンポジットをディスクにキャッシュ

Fusionページでの作業効率を大幅に改善する新機能。これまでメモリ負荷が高かったディープコンポジットをディスクにキャッシュできるようになり、重いVFX作業でも安定性が向上しました。

クリップコンポジションのダウンスケール

タイムライン解像度に合わせてクリップコンポジションを自動ダウンスケール可能になりました。高解像度素材を扱う際の再生負荷を軽減し、プレビューや編集が快適になります。

USDレンダラーのオーバースキャン改善

USDレンダラーのオーバースキャン処理が最適化され、3D合成や外部3Dデータとのやり取りがより精密に。CGやVFX制作において重要なアップデートです。

インスペクターから個別ツールコントロール編集

インスペクターのコンテキストメニューから、各ツールのコントロールを直接編集できるようになり、Fusion作業の効率がアップ。

カラービューアーで解像度切り替え

Colorページのビューアー上で、タイムライン解像度をリアルタイムに切り替え可能。4K/HDなどを瞬時に確認でき、納品形態に合わせた色確認が容易になります。

ACES 2.0 Core対応のDCTLサポート

最新のACES 2.0 Coreに対応したDCTL(DaVinci Color Transform Language)をサポート。高度なカラー管理を必要とする映画・CM制作現場でのカラーワークフローがより柔軟に。

オーディオアシスタントの機能強化

  • 短いクリップでの分析速度が向上
  • 基盤エフェクトのフルUIを表示可能
  • ダイアログマッチャーのアンビエンス制御とウェット/ドライマッチング改善

音声ポストプロダクション作業の効率化に直結します。

2. 主な改善・修正点

ディープイメージコンポジットツールの強化

DoD(Domain of Definition)やRoI(Region of Interest)のサポートが改善され、部分的な処理や領域指定がより精確に行えるようになりました。

キャッシュ保持とマジックマスクの改善

コピーしたバージョンやタイムラインのキャッシュ保持、Magic Maskのマスク精度・保持機能が強化され、マスク作業のやり直し負担が軽減。

UIとレイアウトの改良

小型画面やデュアル画面、縦型動画編集時のUIが最適化。スマホ向け縦動画の編集にも対応しやすくなりました。

マルチユーザープロジェクトの改善

システムごとのビンレイアウト保持が可能になり、チームでの共同編集環境がよりスムーズに。

3. ページ毎の追加・改善内容

Fusion ページ(VFX/合成)

・ディープコンポジットをディスクにキャッシュする機能のサポート
・クリップコンポジションをタイムラインの解像度にダウンスケールするオプション
・USD レンダラーのオーバースキャンに関する改善
・インスペクターのコンテキストメニューから個々のツールコントロールを編集可能にブラックマジックデザイン

Fusion 内のツール(修正・改善)

・ディープイメージコンポジットツールにおける DoD(Depth of Detail)と RoI(Region of Interest)サポートの改善
・小型画面、デュアル画面、縦型動画表示用のレイアウト改善
・マルチユーザープロジェクトにおけるシステムごとのビンレイアウト保持機能の改善

Color ページ(カラーグレーディング)

・カラービューアーからタイムラインの解像度をリアルタイムで切り替える機能

Fairlight ページ(オーディオ)

・オーディオアシスタントの分析機能の改善(短いクリップでの分析速度向上など)
・オーディオアシスタントのオプションで、基盤となるエフェクトのフル UI を表示する機能
・ダイアログマッチャーのアンビエンスコントロールとウェット/ドライマッチングの改善

その他の注目すべき追加機能

・ディープコンポジットのキャッシュ
・Fusion でのダウンスケール
・Magic Mask v2 のサポートなど
総じて高速化・ワークフロー効率化の施策が広範囲にわたって行われている。

4. 実務での活用ポイント

  • VFX編集者は「ディープコンポジットのディスクキャッシュ」で安定性を確保しながら複雑な合成を実行可能。
  • カラーリストは「カラービューアー解像度切り替え」で納品形態に合わせた色確認を迅速化。
  • サウンドエディターは「オーディオアシスタント強化」で短時間クリップの処理効率を向上。
  • 縦動画制作者は「縦型UI最適化」でSNS向けのワークフローを改善。

5. まとめ

DaVinci Resolve 20.1 は、単なるバグ修正や小規模な追加ではなく、映像制作ワークフローの根本を改善する大型アップデートです。特にVFX、カラー、オーディオといった専門領域での生産性向上が際立ちます。公式サイトのリリースノートと実際の使用感を照らし合わせると、このバージョンはプロジェクト全体の効率を一段階引き上げる“使う価値のある”アップデートだと言えるでしょう。

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