新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?

新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?

新しい恋人ができた。
一緒に食事をして、笑って、休日には出かける。
相手にも大きな不満はない。

それなのに、ふとした瞬間に元恋人を思い出す。

昔一緒に行った店。
車の中で聞いた曲。
何気ない会話。
季節の匂い。

そして頭の中に、突然あの人が現れる。
新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?
「俺はまだ元恋人が好きなのか?」

そんなふうに悩む人は少なくない。

だが、ここで勘違いしてはいけない。

元恋人を思い出すことと、元恋人と復縁したいことは、まったく別の話だ。

人間の脳は、恋人が変わったからといって、過去の記憶を削除してくれる便利なハードディスクではない。

何年も一緒にいた人なら、なおさらだ。

旅行した場所、食べた料理、音楽、匂い、季節。
新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?
様々な記憶に元恋人が紐づいている。

だから新しい恋人と同じ場所へ行けば、

「ここ、昔あいつとも来たな」

と思い出す。

それ自体は異常でもなければ、今の恋人に対する裏切りでもない。

むしろ問題なのは、その先だ。

元恋人を思い出して、
「懐かしいな」
で終わるのか。

それとも、
「やっぱりあの人の方が良かった」
「今の恋人じゃ満たされない」
「連絡したい」
と考え続けるのか。

ここには大きな違いがある。

人間の記憶には厄介な機能がある。
過去を美化する。

付き合っていた頃には、喧嘩もした。
嫌なところもあった。
腹が立った日もあった。
だから別れた。

ところが数年経つと、その面倒な部分だけが薄れていく。
新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?
残るのは、一緒に笑った夜や旅行の思い出。

すると脳内では、元恋人が勝手に「名作化」されてしまう。

しかし、その脳内再編集版の元恋人と現実の元恋人は、もはや別人だ。

もう一つある。

実は元恋人本人ではなく、
「元恋人と付き合っていた頃の自分」を恋しがっている場合もある。

若かった。
自由だった。
毎日が刺激的だった。
将来に希望があった。

必要とされている実感があった。

つまり、
「あの人に戻りたい」
ではなく、
「あの頃に戻りたい」
なのだ。

ところが記憶の中では、その時代の象徴として元恋人が登場する。

だから新しい恋人を作っても消えない。

相手を替えて解決する問題ではないからだ。

ここで、一つ強烈な質問を自分にしてみればいい。

もし今日、元恋人から「もう一度付き合おう」と連絡が来たら、本当に今の恋人を捨てて戻るのか?

ここで、
「いや、それは違う」
と思えるなら、おそらく残っているのは恋ではない。
未練、思い出、懐かしさだ。

人間は過去を完全に消して生きる必要なんてない。

元恋人との時間も、自分の人生の一部だ。

無理に忘れようとするから、余計に気になる。

忘れなくていい。
思い出してもいい。

ただし、その思い出に現在を食わせてはいけない。

今の恋人と新しい場所へ行く。
新しい店へ行く。
新しい趣味を始める。
新しい思い出を作る。

そうやって人生の中に新しいページが増えていけば、元恋人のページは消えなくても、相対的にどんどん小さくなっていく。

ある日、昔よく聞いた曲が流れる。

「ああ、あいつと聞いたな」
そう思う。

そして数秒後には、また現在に戻る。

それでいい。

元恋人を忘れることが、失恋から立ち直ることではない。
思い出しても戻りたいとは思わない。

そこまで来たとき、
新しい恋人ができても元恋人が忘れられない――それは未練か、それとも思い出なのか?
その恋はようやく「未練」から「思い出」に変わるのだ。

【管理者が思うこと】

恋をすると、別れるときが辛い。だから、恋はしない。……なんて寂しいことを言わずに、別れなければいいのだよ~。

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